コロナ禍での不妊治療を振り返る
第三波が収束せず、コロナ禍での初めての年末を迎えます。
ガラリと生活が変わってしまったこの一年を振り返ると、
仕事や生活で未だ大変な思いをしている方がたくさんいらっしゃると思いますので、これはあくまで『不妊治療の観点』でのみの感想ですが
「生活様式の変化で救われたことが多かった」
まず、飲み会や食事の付き合いがなくなったこと。
以前は、職場や友人との飲み会や用事が入ると真っ先に治療のスケジュールを確認していました。不安なくお酒を飲めるのは、ダメになって生理が来てから次の排卵誘発剤を飲み始めるまでのわずかな期間です。
「排卵誘発剤 お酒」とどれだけ調べたでしょう。
飲まない言い訳を考えるのにも疲れ、結局場の雰囲気で断れずに飲んでしまい、卵の育ちが悪かったりすると「やっぱりお酒飲んだからかな」と後悔したり。
コロナで会食や友人と会う機会がなくなったのは寂しいですが、同時にストレスがなくなったことも大きく感じました。
また、旅行に行かなくなったこと。
不妊治療をしていると、通院や排卵のスケジュールでうまく日程調整ができません。
人工受精後や体外受精の移植後だと、大事をとるため大好きなスポーツもできません。
でも、世の中全てが自粛モードになり、どっちみちどこへも行けないんだと思うと少し気が楽になりました。
そして、マスク生活になったこと。
表情も見えず、自然と口数も減ります。
今までの日記でもよく書いてきたのですが、hmg注射はもちろんのこと、私はクロミッドやデュファストンの副作用も本当に重かったので
慢性的な倦怠感や吐き気、頭痛と闘いながらの仕事の毎日は本当に苦痛でした。
かつては全身から出る体調不良オーラに「妊娠したの?」と言われることもあったくらいでしたが、マスクをするようになってうまく隠せるようになりました。
でも、これらは全て
「不妊治療をオープンにできない」ことが原因だと思います。
堂々と言うことができれば、場の雰囲気も悪くせずお酒も断れる、会社も休める、もっと周囲にSOSを出すこともできます。
そもそも『不妊治療』じゃなくて、『産前治療』とか前向きな通称になればいいのに。でき婚を授かり婚と言うように。
コロナ禍での生活様式で救われる日常なんて、悲しいです。
コロナが収まると同時に、赤ちゃんを授かるために頑張ることがもっと当たり前にわかってもらえる世の中なることを願います。